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らてるね賞2018、特別賞受賞者・小佐部明広さん

らてるね賞2018の受賞者の皆さんを
ひとりずつ紹介させていただきます。
まずは、特別賞を受賞してくれた小佐部明広さんです。

小佐部さんは、劇作家・演出家でありながら
ご自身の作品の宣伝美術も手掛けていたのです。
これには審査員の皆さんも驚かれていました。

受賞作がこれです。
春のめざめ表s.jpg

このチラシデザインに、審査員の皆さんからの選評をもとに
以下のような文面の表彰状と、記念のらてるね(ランタン)を差し上げました。

 青い時代のもだえ、といった空気感が伝わり、思春期をテーマにしたこの作品を、大胆な構図と写真でひきつけるデザインは、とても官能的で洗練されていて、画面構成、写真処理、文字レイアウト、余白のバランスに一貫した美意識を感じました。
 エクスタシーを感じているのか、あるいは胎児のようにも見える露光オーバー気味の半裸の女性はエロティックで、どこか儚ささえ感じさせてくれました。
 芸術の重要テーマである「性」や「精神的葛藤」を舞台化するというカンパニーの冒険的な意欲を感じましたが、それをデザインする場合、「エロス」だけではなく、「生」や「死」も意識させることがデザインには必要です。
 今後、さらなる作品への深い理解と挑戦・挑発を期待してここに、らてるね賞2018特別賞を贈らせていただきます。


そんな小佐部さんに、いくつか質問をしました。

Q:1  らてるね賞を受賞したと聞いた時のことをお聞かせください。

→らてるね賞のことは知っていましたが、自分とは縁のないものと思っていましたので、嬉しかったのも確かなのですが、それよりも意外な気持ちが勝り、なんとも不思議な感覚でした。
春のめざめ裏s.jpg

Q:2  受賞作はどういう構想・アイデア・経緯でデザインなさったんですか?

→イメージは白で、女性が横になっているのを上から撮るという構図はなんとなく頭にありました。出演者であるクラアク芸術堂の八木友梨をメインに『春のめざめ』の宣伝動画をつくるためにカメラを回していました。この画像は、彼女が胎児を殺してしまったシーンの後の1コマを加工したものです。(そのため、実は画素数がやや粗目になってしまっています。)

Q:3  受賞作の他にも、これまで手掛けられた演劇宣伝美術作品があればご紹介ください。

→主に自分が企画した舞台の公演のみデザインしています。

ある映画の話.jpg
ある映画の話

暗転 または悪意の後継.jpg
暗転 または悪意の後継

分裂と光.jpg
分裂と光

Q:4  演劇宣伝のデザイン以外にも演劇の活動をなさっていますか?ご自身の演劇活動についてもしあればお聞かせください。

→主な活動は脚本を書いたり演出することです。6月に野田秀樹『赤鬼』を演出するのでぜひご来場ください。

Q:5  演劇宣伝デザインを始められたきっかけは何でしたか?

→自分が企画した公演で、宣伝美術を周りでお願いできる人があまりおらず、それならいっそ自分でやってしまったらよいのでは、と思い作り始めたのがきっかけです。

Q:6 演劇の宣伝美術の仕事と、他のデザインの仕事とでは、何が違いますか?

→演劇以外のデザインはしたことがありません。

Q:7 演劇の宣伝美術において心がけていること、こだわっていることはありますか?

→チラシのデザイン集など参考にしつつ、結局全然違うものになるのですが、最終的には全体のバランスがとれていること……だと思います。結局は直感で作っているので、もっと勉強します。

Q:8  北海道の演劇宣伝美術の現状について何かお感じになることがありますか?

→私が演劇を始めた10年前くらいに比べて、随分チラシの見栄えは全体的によくなっているように感じます。いいか悪いかはわかりませんが、商業感のあるチラシは少ないように感じます。

Q:9  今後の野望や展望、直近の予定などおありでしたら聞かせてください。

→宣伝美術については自分の好きでやっている範囲なので、これからもその範囲でやていこうと思います。脚本や演出の仕事はバリバリやっているので、6月の『赤鬼』や、8月のクラアク芸術堂本公演にぜひご来場ください。

以上です。小佐部さん、本当にありがとうございました。
そしておめでとうございました。

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